映画「COCO CHANEL」と「COCO AVANT CHANEL

ココ・シャネルが2008年に生誕125周年を迎え、シャネルを主人公にした、

「ココ・シャネル」(2008/伊・仏・米/英語)と「ココ・アヴァン・シャネル」(2009/仏/仏語)

の2本の映画が公開されました。

心待ちにしていた私は、それぞれ2本とも映画の初日に観に行きました。



最初に公開されたのはシャーリー・マクレーンが扮した「ココ・シャネル」。


物語は、70歳のシャネルが15年ぶりに開いたコレクションが、大失敗に終わったところから始まり、幼き日々の回想からデザイナーとして成功するまでの、サクセスストーリーです。

シャネルのセリフ「人間は成功でなく失敗で強くなるの。私は逆流を遡って強くなった」の通り、

自立した女性の凛とした魂の強さに心奪われ、私に注入されたエネルギーは、劇場を出た時、

「帰りにシャネルスーツを買っていこう」と思ったほどです。(笑)

もちろん思っただけで、とても買えませんが、それほど、身分の差別、男女の区別を物ともせず、女性に自由を着せた革新的なデザイナー、シャネルに敬意を表したい気持ちにさせられたのでした。

この映画には、シャネルの定番の服に隠された秘密や、香水のできる過程など、シャネルブランドに憧れる方にはたまらない要素も盛り込まれています。

そして、何より芯の通ったシャネル語録の数々には、映画を観ながらにして、自分の中に勇気がみなぎってくる興奮を感じました。



次に公開されたのは、オドレイ・トトゥが扮する「ココ・アヴァン・シャネル」。


孤児院で育った娘シャネルが、ナイトクラブで歌手をし、お針子をしながら帽子のデザインから、

超一流のファッション・デザイナーとなるまでの半生の中で、関わった2人の男性が、シャネルの人生にどう影響を及ぼしたのかを大きくクローズアップした作品展開です。

こちらの作品は、シャネルを一人の女性として捉えているため、シャネルブランドに憧れる方には、

デザイナーとしての魅力を観ることはほとんどありません。

しかし、最後のコレクションの様子は、圧巻です。その数々のドレスの美しいこと。

ドレスに関しては、こちらの映画の方が見応えがあると、純粋に感じました。

それもそのはず、どうも、「ココ・シャネル」はシャネル社の協力を得ないで作られたようですが、

「ココ・アヴァン・シャネル」の方はシャネル社の全面協力のもとで出来た作品だそうで、

そのためラストのコレクション・シーンが豪華に映ったのです。



正直、二人のシャネルは、別人のように、描写の仕方が異なっていました。

もちろん映画ですから、どちらもアリだとは理解しますが、幾つかの事実を点だとしたら、

その点と点を結んだ線の部分の違いが、2つの作品が別物に仕上がった理由だと言えるでしょう。



来年には3本目の映画「シャネル&ストラヴィンスキー」が公開されます。

3人目のシャネルはどう描かれているのでしょう。待ち遠しい限りです。

最後に、私の心に一番深く残ったセリフを、書き記させていただきます。



「ココ・シャネル」から

シャネル70歳の時、コレクションが大失敗に終わり、窮地にたたされ引退を迫られた時、

何バカなこと言ってるのよ、と切り返したセリフです。



『この私が引退する?今まで何ひとつ諦めたことのない私が?』





人生は一度きり。

その主役は自分。

人生を使いこなさなくて、どこに生きている面白みがあるというのでしょう。

どうせ最後は皆、死んでしまうのです。

ならば、人生、使いこなしたモノ得。

シャネルみたいに歴史に名を残した人でも、人生に終わりはあるのですから…。